スピンアウト 上下 国枝彩香 暴かれていく本性……。問題作です。
国枝彩香さんの「スピンアウト」を読みました。
上下巻になっており、共に同時発売されています。
本作、問題作ではなかろうか……。
上下巻とも読んだのですが、頭にこびりついて離れない気味の悪さを感じます。BL本はだいたいは二回読み直すのだけど(特に漫画は)、絶対に二度読みたくないって思いました。寝るときに思い出しちゃって、嫌な気分になったのです。
本作、好き嫌いを選びそうな話だと思います。ヤンデレではなく、完全に人間怖いのホラーなんですよ。貴志祐介さんの「黒い家」を思い出しました。
それではネタバレ感想に入ります。
内容紹介
できの悪い社長子息・涼馬の世話係としてストレスの多い日々を送るごく平凡な会社員・巽は、月に一度か二度、ホテルの一室で美しく妖艶な男・三木と合意の上でのSMプレイを楽しんでいた。素直で優しく繊細な涼馬を大切に思い、守りたいと願う一方で、謎の多い三木との逢瀬を重ねるごとに三木に対する興味と執着が芽生え始めーー…
巽の涼馬に対する上下巻の温度差が気になります。初めは涼馬のことが好きだって思っていたのに、いざ獲物を前にすると思い通りに行かなくて、「これじゃない」って勝手すぎやしませんかね。
上巻で三木との関係が涼馬にばれて、下巻で涼馬とベッドにハダカな関係になっているんです!これはいきなりで衝撃でした――。でも、涼馬のことを三木のように殴ったりは出来ないし、受け入れ慣れていない体を酷使することもできない。
三木も三木で狂ってて気持ち悪いし。登場人物全てが気持ち悪いよ。
最後はなかなかのホラーなんで、ストーリー構成的には面白い作品だと思う。がっつりネタバレしたいけど、これ以上は止めておきます。サスペンスやミステリー、ホラーが好きな人はどうぞ。
私は出来れば明るくて楽しくてエロイBLを読みたいな。