きょうのBL、これ読んだ。

BL書評ブログ。BL漫画、BL小説の読書感想文。作中のストーリーに触れていますのでネタバレ注意です。

酷くしないで 5巻 ねこ田米蔵 これまでのおさらいと新刊感想。

ねこ田米蔵さんの「酷くしないで」の新刊が出ましたよ~。結構、巻数が出ているようなイメージなんだけど、まだ5巻なんですね。

 

5巻の真矢。

酷くしないで (5) (ビーボーイコミックス)
 

 

 1巻の真矢と眠傘。

酷くしないで (ビーボーイコミックス)

酷くしないで (ビーボーイコミックス)

 

 

大人になった真矢のほうが断然カッコいいですね。

続きから、ネタバレ感想に入ります。

 

 

元いじめっこ真矢とがり勉の眠傘(ねむがさと読む)のラブラブのお話。

 

一応、読まれたことのない方のために二人の過去のお話をしますと……。

高校時代、進学校に通う真矢と眠傘は同級生なのですが、眠傘は勉学一筋で恋愛やら友達付き合いはガン無視する性格です。一方の真矢は、容姿端麗でお金持ちでクラスのリーダー的存在。なんと、一巻の初めから、眠傘を学校裏に呼び出し、ブリーフ一丁にひんむいているところから始まります。

実は眠傘のお家は一般家庭でして、私立の進学校の学費を払うのは無理があり、奨学金を受けている奨学生なんです。成績が下がってしまうと、奨学金が受けられない、つまりは退学しなきゃいけないという状況下なのです。思うような成績が取れず、焦った眠傘はテストでカンニングという行動に走る。これは、真矢の唆す言葉がきっかけとなっているのですが。カンニングしたところを写真に収めてるんです。それを脅す材料として用いて、眠傘を学校裏に呼び出したという訳なんです。それで、二人は致しちゃうんです!

たぶん、最初は読み切り設定くらいの想定だったんでしょうね~。初回はけっこう有り得ない設定なんですよね。ギャグ要素が強い漫画だから、ツッコミなしで、っていう前提なのかな(笑)

でも、にぶちんの眠傘は打たれ強いです。真矢にそんな扱いを受けても、タダでは起き上がりません。真矢との行為をきっかけにタダで真矢の従妹の国立大生から家庭教師を受ける権利を得ます。

二人はつきあっていないのに、体の関係はあるんですよ。もちろん、眠傘に恋愛感情はありません。勉強の邪魔になるけど、家庭教師は受けたいから、という理由のみです。一方の真矢の気持ちは、はっきりとはしないものの、眠傘を好きな様子です。新刊でもそうですが、この頃から真矢は絶対的に眠傘に惚れているっていうのが伝わるんですよー。巻数を進めていくにつれて、眠傘も真矢に対して恋愛感情を抱くようになっていくんです。

眼鏡っ子で、地味で、イケていない設定は、読者の心を掴むんですよね。結構、泣けるシーンが多い(私だけ?)

好きなシーンは、眠傘が真矢のことを好きだって気づくシーンかな~。それで、家に行ったら、女の子と一緒の真矢に遭遇してしまうところ。

あと、急に真矢が髪の毛を黒く染めたところ。将来について、きちんと向き合う覚悟っていうのが伝わるシーンでした。

 

さてさて、5巻ですが。前巻から大学生編に突入しています。二人は大学が別なので、それぞれの人付き合いがあります。4巻では眠傘に初めての友達の沖野君が出来ました^^

真矢は大学で流夏(るかと読む)という先輩に出会います。流夏さんは、なんだか怪しい人です。様々な人脈を持っている人らしく、その怪しさ故に真矢は最初は警戒します。けれど、最終的にはのめり込んでいきます。眠傘にしか興味を持たなかった真矢が心を開くようになるんです。眠傘といるときも、流夏さんの話をしたりします。それを見た眠傘は不安になります。でも、真矢はてんで気が付きません。

この不安になるシーンが良かったです。恋愛に無関心だった眠傘を知っているから、余計に大人になったな~って親心になっちゃいます(;´Д`)

遊び人のたらしで有名な男、縞川(真矢は過去に懐いていた人で裏切られている過去がります)との接触することは、今までは絶対に許さなかったのに真矢は許すとまで寛大になっています。これは眠傘の知らないところで、縞川と真矢が接触し、理解し合ったからなのですが。眠傘は知り得ないことです。大人になるのは嬉しいけれど、否定してくれないのは寂しいって感情ですね。作中ではそこまで語られていないけど、もやっとした感情を眠傘は抱いています。

サークル活動中、眠傘は縞川から、不意打ちキスをされてしまう(理由は「酷くしないで小鳥遊彰編」を参照。私も忘れちゃった…)。真矢以外の接触で、拒否反応を示す眠傘は不安が爆発してしまいます。

何かされたと知り、余裕がなくなる真矢。道端でキレかかり、眠傘に掴みかかるシーンは迫力がありました。でも、同じような状況が過去にもありましたね。にぶちん眠傘がちょっかい出されて、真矢以外は嫌よって拒否反応を示すシーンは好物なので良いのですけど(;'∀')

二人は落ち着ける場所へ移動し、ここ最近の不安について語り合うわけです。眠傘の心の問題、自分と真矢の違いを感じている部分。自分がいることで真矢の足かせになりたくない、と泣きながら叫ぶシーンは、こちらまで泣けてきました。でも、真矢は眠傘が思っている以上に、ゾッコンなので大丈夫なんですが(それは読者もわかっていますw)

そうそう、眠傘が「この黒髪も」って、抱き合いながら、真矢のことを思うところはぐっと来ました~。

 

なんだろう。BLとか関係なく、普通に恋愛なんだよね。自分の恋愛と重なる部分が多いわ。勝手に不安になったり、相手を信じられなかったり、それでぶつかって、泣きながら不安を和らげてもらったり、とかね。

 

はあ、それにしても。流夏さんは何者なんだろう。この後、眠傘も仲良くなりますが、謎の人物のままなんですよね~。

 

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